黄ばんだ紙切れ

『今、僕は六本木の交差点に立つ』の感想

ごきげんよう!!!(推しの真似)
嶺谷です。

 

推しの方が出演している舞台『今、僕は六本木の交差点に立つ』を観劇してきました。

概要はこんな感じです。

中村誠治郎、有澤樟太郎、定本楓馬山寺宏一らが描き出す!
経済界の風雲児にして魂の叫びを歌うシンガーソングライター
橋本ひろしの波乱万丈な人生
「今、僕は六本木の交差点に立つ」
上演決定!!


こっちはゲネレポート

 

橋本ひろしさんという実在の人物の生き様をモデルとした、ノンフィクションに近いフィクション作品という感じ。

 

とりあえず箇条書きで観劇直後の感想を挙げてみました!ガンガンネタバレします!
※台詞はニュアンスで書いてるので間違ってるかもしれないです

 

 

 

 

 

 

 

 

・何度も現れる橋本さん楽曲の挿入歌。マジで歌唱シーンが多くて最早ミュージカルでは?となりました。
主人公・ふとし役の中村さんがすっごい響く声で歌が上手い〜〜〜〜!!すごい上手い!! 技巧派って感じではないけど、響きが深く優しく「聴かせる歌」という雰囲気の歌声で、ふとしが歌い始めるに至った経緯とも被ってめちゃくちゃ良かったです。ギターも上手かった……

「天に向かって弓を射ろ  必ず自分に返ってくる」

 

・1部の間はずっと語り部に徹している、定本くん演じる津田山。多分モデルはTSUTAYAの社長なのかな?と思いました。
まあ〜〜〜〜可愛い!!!笑  ハーフパンツにリボンの付いたシルクハット、明らかに似合わない(失礼)カイゼル髭っていう出で立ちが既に可愛いんですが、加えてやたらコミカルで大袈裟な身振り手振りで本当に可愛かったです。つい見ちゃう。
出てきたところの台詞がまだ超序盤なのに思いっきりメタで吹きました。

爽やか〜な感じのチラシと全然違うじゃん!騙された!と思った方、その通りです」
「賭けのつもりでお楽しみください!」

 

・推しが演じるのはふとしの幼馴染である山口シュンという青年でした。漢字の設定ありそうな気がするけど本編とパンフじゃ分かりませんでした。楽の日に推しがブログに書いてくれるかな〜
※9/7追記 「俊」でした!
昭和のナウな若者!て感じの髪型が案外似合ってた。このために髪伸ばしてたのかな?
そしてとにかく良いヤツ…………貧乏で捻くれて頑固者なふとしとは真逆で、明るくてオシャレで学生時代から面白いくらい順調にエリート街道を突き進んでいく。でもカラッと爽やかで嫌味がなくて、本当にふとしが大好きで尊敬してるんだなあっていうのが分かる。

「あいつはすごいヤツなんです!俺たちが思うよりきっとずっと!」

マジで良いヤツ…………シュンくん………………
連れてる彼女のルックスがメチャバブリーでちょっと笑いました。結婚したら落ち着いてたね。

 

・月日が流れるのに合わせた衣装替えがかなり多い作品だったんですが(ふとしとか舞台上でタオルで隠して着替え始める)(吹くかと思った)、
推しの衣装どれもこれもやばすぎでは?どんだけ推しのスタイル強調したいの???
初っ端のベルカットのジーンズもビッグサイズのニット(一番可愛い)も細身のジレもレトロっぽい開襟シャツも……。衣装のおかげでいつにも増してスタイルおばけ具合が凄かったです。出てくるたびに(長……)(細……)てなる
あと就職してスーツになるところ、格好良いのもそうなんですが着替えるの早すぎてビビりました

「シュンくん〜〜〜〜!?大きくなって〜〜〜〜!何頭身になったんだ〜〜〜〜〜〜〜〜!!?」
めちゃくちゃ笑った。

 

※9/7追記
ていうかなんか全体的に演出でやたらと推しの脚の長さが強調されてるんですよね。自然と。それを目的としているわけではないのに。
ベビーカー押してるところとか持ち手より推しの脚の付け根の方が上にありましたからね。

 

 

・サラちゃんの女優さん!すっっっごい良かったです!!!「外国の子が独学で勉強した日本語」の演技が上手すぎる…………純粋な日本人の方ですよね???
「ワタシ幸せだってば!!!」
久保田に救われてどんどん賢く美しくなって、最後には日本語が完璧になってるだけでなく声も物腰も完全に成熟した女性になっていて、痩せっぽちな体を真っ赤なドレスに包んでた姿を思い出して泣きました。

 

・山ちゃん!!当たり前すぎるくらい当たり前な話なんですが声がめちゃくちゃ良い!!!!声の演技が上手いどころの騒ぎじゃなかった。
不器用で愚直で優しいおじさんすっごく良かったです。ラストの「おやすみなさい」は山ちゃんだからこそだなあ……と思いました。

 

「俺のカスみたいな友情だよ」
序盤のシュンくんがとにかく明るく溌剌としていて、下を向きがちなふとしに何度も発破をかけてくれていたからこそ、悔しそうに情けなく頭を下げる姿が痛かった。
縁を切る気なんてなかった。どれだけ自分とふとしの間に格差が出来たって、必ず全額返してまた笑い合えるようになるつもりだった。良い大学に行って、良い会社に就職して、美人の彼女と結婚して、子供も出来て、文句の付けようもないくらい恵まれていたはずなのに。
ふとし…………そんなに恵まれているのにずっと一緒に笑ってくれてた、親に土下座までしてくれた親友に、そりゃあ無いだろう………………

 

・交差点の真ん中で喚き散らすふとしと、その姿を訝しげに見ては通り過ぎていく通行人たち。
「ああこういう考え方がダメなんだ!」
「どうして俺は人を大切にできないんだ!?」
自らが貧しさにずっと苦しめられてきた故に、金を払う以外幸せの表し方がわからないふとし。
その通行人に混ざる寂れた風貌の男が蹲るふとしに一瞬目をやって、帽子を目深に被り直して立ち去っていく。スタイル良すぎて混ざってなかったですけどね。いや隠せちゃってたら演出にならないからそれで良いんだろうけど。出で立ちが異様かどうか以前にスタイルでめちゃくちゃ目立ってた。

交差点の真ん中から動けないふとしと、何度も何度もその周りを通り過ぎてはそれぞれの営みを繰り返していく通行人の演出。すごく良かったです。ゴミ捨て場を漁るカラスは、きっとかつて四方八方に頭を下げ倒して必死に生きていたふとしそのものだったんだろうな。

そしてふとしは金をばら撒くのをやめて、歌い始めた。

 

・津田山を激励する新曲のシーン。若者に混ざって腰曲げたまま踊るおばあちゃんが可愛かったです。
ふとし(というか橋本さん)の作る曲の歌詞がみんな、これでもかってくらいド直球なんですよね。その前に話してることの内容ほとんどそのまんま。詩的で難解な言い回しなんてほとんど使わない。ともすればありきたりかも知れない言葉の羅列。だからこそ弱っている人のところに真っ直ぐ届いたのかなと思いました。

 

・それを目的としてやってきた人、たまたま通りかかって足を止めた人、途中で立ち去る人、六本木の交差点でのふとしのライブを色んな人が聴いていく。
そこに現れたシュンの姿はかつてより一層みすぼらしくなっていて、すれ違う人皆疎むような視線で遠巻きに歩いていく。
一度は足早に去ろうとするも、戻ってきてふとしの姿をじっと見つめて涙を零す。

多分心の糸が切れて手にしていたもの何もかも失って、散々考えて漸く自分のこともふとしのことも受け入れられたのかな。

「次にお前に会う時はまたスーツを着て戻って来る!
だから、今日の俺のことは、忘れろ」

「痩せるなァァァーーーーー!!シュン!!!!」

後ろを向いたまま拳を掲げてみせたシュンくんの左手の薬指に指輪が光っていて、心臓がグッと熱くなりました。

 

・カテコ
「樟ちゃん、何か言いなさい」
えっ!って顔してて可愛かったです。
「生きていて人に影響を与えられることってたくさんあるけど、この作品を演って、自分も誰かに影響を与えられるようになろうって思いました」
そんな感じの話をしてくれました。眩しくて憧れてしまう人にそんなこと言われるの……
全然関係ないけど推しが周りの人に「樟ちゃん」て呼ばれてるのがなんとなく好きです。自分では絶対呼べない

 

 

 

とりあえずそんな感じでした!
また新しく思い出したら追記しようと思います!

 

 

 

背景のピカソみたいなキュビズムの抽象画、あれの演出が何を意味してるのか分からなかったんですよね…ネルケ主催だし今日もカメラ入ってたので多分円盤は出ると思うんですが………