黄ばんだ紙切れ

ACTORS☆LEAGUE in Baseball 2023への所感

 

 

これは今回のアクターズリーグに対してとても批判的なお気持ち長文です。

 

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昨年8月からずっと楽しみにしていたACTORS☆LEAGUE in Baseballが今年も閉幕しました。が、その内容・運営その他もろもろに全く以て納得が行っていません。

 

ざっと並べると以下です。

・大幅な構成の変更、それに伴う時間の割り振り
・これらについての事前告知
・出演者に関する現地アナウンス
(・物販、売店列の管理)

 

 

構成・配分について

昨年までのアクリ野球のタイムスケジュール・詳細は以下の通りでした。

 

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そして今回がこう。

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大幅に変わっています。

チーム数が増えているのに全体の練習時間が減っている(1チームにつきおよそ半分程度?)というのも謎でしたが、開会式後が問題。
全体の時間は据え置きのまま本編が2部制になり、エキシビションマッチを行ったのちに試合開始……という内容になりました。
当然試合時間は減っているので、イニング数も7⇒5に削減。地味に助っ人制度も消えてる。監督もいない。

更に当日、現地で開幕後に判明したのがエキシビションマッチの順位が上位だったチームから試合の先攻・後攻・応援を選択できるというルールの存在。

当日、実際に野球の試合が行われた時間は僅か2時間足らず。時間の規定により4回で打ち切りとなり、半分以上の時間が準備・応援合戦・セレモニーなどに終始しました。

 

 

情報の告知

そしてこれらの告知が為されたのはそれぞれ
エキシビションマッチの存在→試合当日の2週間前、in Gamesの後夜祭内。公式Twitterでは翌日
タイムスケジュール→開催3日前
対戦ルール→現地
でした。

 

現地でのアナウンス

当日、選手の中に怪我人が出たようです。

DB側の詳しい様子はうろ覚えで確証は持てませんが、少なくとも開会式~エキシビションの途中まではいらしたと思うので退場したのは2部の試合以降。
このことが場内で試合前に知らされた記憶はありません。

 

 

 

 

 

 

まずエキシビションマッチについては「野球に馴染みの無い人にも楽しんでもらえるように」「野球に親しみを持ってもらって好きになってもらうために」というのが主旨だったようですが、じゃあ去年までの試合は何だったの?

わたしは初年度、野球の知識も関心もほぼ皆無で何なら嫌いに近い(諸事情)苦手……くらいの層の客でしたが、それでも大好きな人たちが競技するところを見るのも、それを応援できるのも本当に楽しかった。
同様のことをバスケに馴染みがないまま推しを見に参加した友人も言っていて、人を巻き込みたければまず自分たちが楽しんでいる姿を見せる、というのは布教の定石だし、その点において昨年までのアクリは大成功していたと思う。

 

それがここに来て「基本的な動作を基にしたミニゲーム」をお出しされる……
言葉を選ばずに言えば余計なお世話だし、今までに得て来た楽しさを蔑ろにされたようにすら感じた。

そもそも競技に興味がない人を楽しませるために野球するのをやめていたら本末転倒どころの騒ぎではない。果たして野球をしていないのに野球の楽しさなんて広められるのか?

 

初観戦の層にも易しくしたいというなら初年度のゲスト解説・実況で十分だったし、毎年事前にも当日場内でも非常に基本的なルール説明動画を用意してくれている。

youtu.be

複雑なことは観客各々に任せて問題ないはずだし、これ以上の簡略化を求める層がいるなら、それはもう野球観ない方がいい。運営はそれに迎合するべきではない。

舞台だってある程度の事前知識が必要な演目なんて無数にあるけどそれを逐一説明台詞挿入したり教科書に載っていないレベルの内容はカット!なんてされたら堪ったもんじゃないし、難しくて面白くない!と主張する客が仮にいたなら勉強するか観るのやめろ。としか言えないでしょ。

 

そして何よりげんなりしたのが「この勝負によって対戦カードが決まる」という無意味すぎるルール設定。そんなの結果がどうなろうがGSが応援に間違いないって考えなくてもわかる。というかそうならなきゃそっちの方が問題だし暴動モン。

元より、追加になったGSの存在にも疑問はあった。初心者枠の選手なら最初から高野くんや凌さんが出てくれているのに、今更それを売りにしてわざわざチームを作る必要は何?スポーツする気のある衣装でもないよね?というか野球で三つ巴って何??

はなから野球をさせる気があるとは思ってなかったけど、まさかこれほどとは。中途半端な理由付けをしたことで、一層エキシビションマッチの意義がなくなった。茶番だと見え透いてる勝負ほど苦痛なものはない。*1

あまつさえそこで怪我させて肝心の野球に出られないって。ふざけるにも程がある。

 

開幕前散々言われていた客降り応援合戦に関しては、まあ客降りと言えるほど客降りしてなかったですね……。声出しも演者が近くに行くことも解禁された世の中だからあのくらいはやってみたかったのかな、程度でした。

でもただでさえそこらの劇場の座席区分問題なんて目じゃないくらいの席ガチャ会場で、全観客が大金払って来てる中更に一部だけに付加価値を与えるのは理不尽だと思う。プロ野球の区分と同程度とは言わないけど、最低限内野の前後ブロック、大きく外野寄りとネット裏くらいは金額を分けるべき。

ネット裏以外にいたGSファンも、視界を遮られたであろう他チームファンも気の毒だなと思いました。

 

 

 

終了時間が決まっている。セレモニーもある。途中におふざけ要素もある。出演陣の本業は俳優であり、明日も公演や仕事がある。だから元々が7回制であることには納得していた。
しかしこの改変によって本編であるはずの試合時間を更に削り、それすら完走できないという事態は流石に理解ができない。
今年BLACK WINGSはぼろ負けした。それは運営も構成も何も関係なく*2、あの中で精一杯試合をした結果。だけどどうしても仕方ないとは言い切れない。なぜなら行えた試合はたった4回、本来の競技の半分にも満ちてないから。
残り3回、せめて1回がちゃんと行えていたなら。もう少し足掻けていたら、と悲しくて悔しい。

 

そしてこれらの情報を一般発売後、下手したら試合当日まで消費者に明かさないというのも意味不明。

タイミングが遅すぎるのももちろんだけど、in Gamesの後夜祭なんて、果たしてBaseballのチケットを持っている客のうち何人が見ると思ったんでしょうか。わたしが見ていたのもたまたまに近いし、肝心な情報を初出しする場所として本当に相応しいと思ったんですか?

これがもし初めての試みだったなら勝手に期待して想像でチケットを取った自分が悪い、と溜飲を下げることも可能ではあるけど(妥当ではない)、すでに2年分の前例がある中、一切の予告なしにチケットを売るだけ売り、あとからまるで違う内容を開催するのって何らかの詐欺とかにあたらないのか?とすら思う。

 

 

総合して、この人たちは「俳優が真剣に野球をする姿が見たい」という観客の気持ちを全く信用していないんだな、と思いました。

 

 

2年前、初めてのアクターズリーグの開幕時スクリーンに流れたOPムービー。

コロナ禍により世界が停止する様子と、それを切り裂く白球の演出を客席で見て本気で号泣した。
あの瞬間、とんでもなく面白いことが始まるという高揚でこの席で大丈夫なのか、野球なんてわからないって不安も全部消し飛んで、絶対に今日は最高の思い出になるって思えた。

「夢って叶うんだぜ」って叫んだ姿が眩しかった。走って笑ってるところをずっと見ていたかったし、この時間を共有できて幸せだと思った。勝ってほしくて4時間スティックを叩いた。

また来年もここに来たいと思った。

 

でもどうやらわたしみたいな客はいないものと扱われてるらしいです。

あの幸せは無かったものにされた。

あんなに楽しい最高大好き大好きって言ってたのは何一つ届いてなかった。

 

 

どういう立場からかはわからないけど、今回の様々な変更を提言し採用した人たち。本当にセンスがない。何もわかってない。
去年の野球の7回裏が、バスケの4Qがどうしてあんなに盛り上がったのか、閉会式の涙に拍手が起こったか本当にわからないんですか?スポーツってなんだか知ってますか?

わちゃわちゃした運動会の方が人が集まる、需要があると思うならやればいい。ただし別で。玉入れもリレーも大玉転がしも借り物競走も、俳優集めて本気でやれば絶対に楽しい。好きな俳優が出るならわたしもきっと行くだろうと思う。

ただこれは「in Baseball」でしょ。疎かにするなら競技の名前降ろせよ。

 

怪我をした選手について現地で一切お知らせが無かったことは論外です。
極端に出番が少なくどこで何してるのか謎な時間すらあったGSメンバーにも言えることですが、俳優にもファンにも失礼すぎ。席埋めて集金する材料としか思ってないからそういう扱いになるんじゃないですか?
エンターテインメントには「受け手の満足」「作り手の納得」「ビジネスとしての成功」が必要らしいです。よくそんな台本かけましたね。どれが成し遂げられたんですか?

頼むから、大切な場所と思い出を踏み荒らさないでほしい。

 

 

物販・売店の列

動線も捌き方も効率が悪すぎると思いました。毎年同じ場所でやってるのに。
特に屋外の物販テント、倒れた人の話を聞かないのが不思議。あのまま続けるならいつか死人が出そう。
真夏に開催なことはわかっているんだから、いっそ通販のみにするか、どうにか会場内にスペースを設けて当日炎天下に長蛇の列を作らせるリスクは避けた方がいいんじゃないかと思いました。もしくはレジ台数を増やして死ぬ気で回転効率を上げるか。それも限界があるでしょうけど……

ビアボールの販売も、どこの売店より人が集まることは容易に想像できたと思う。去年も大概だったけど、今回も2時間並んで売り切れ……エキシビションor試合ほぼ捨てたのに……みたいな声が見受けられました。そもそも15000人の集客に対して各フレーバーが800限っていうのもどういう計算なのかと思いますが。
売り場が中央に一つだけというのは無理があると思うし、場所を増やすことができないならあれこそ売り子さんが売り歩いた方がいいんじゃないか?という気がする。アイスのお姉さんは見かけたけど。

この辺りは本当に適当な意見です。ただ何かしらの解決策は講じてほしい。

 

 

 

正直今は2024が開催されるのか怪しい、限りなく無しに近いんじゃないかと思っています。
勝利チームへの賞品が露骨にグレードダウンしていたり、グッズのユニフォームが刺繍からプリントになっていたり、銀テ演出が減っていたりと明らかな予算の削減を感じたことが主な根拠です。邪推にすぎませんが。

これらが出演者を増やしたことに伴う変更ならそれこそお話にならない。客に皺寄せをするな。

少なくとも今年のアクターズリーグに未来はないなと思いました。

 

ただ、その中でも「来年はこうあってほしい」と何度も繰り返してしまう。祈りでもある。

物理的に出演者を増やすことで座席を埋めたいなら、チームを増やすのではなく単純に両チーム増員する方がまだよかったと思う。出番活躍の配分は難しいかもしれないけど、最低でもずっとベンチにいるだけ今年よりはマシ。その割り振りで現在の戦力差をどうにか調整もできるかもしれないし。
もし「東京ドームを埋める」ことを目標に試行錯誤しているなら、それは普通に諦めた方がいい。主催が読売である以上難しいかもしれないし一つの売り出しポイントなのはわかっているけど、別に無理に東京ドームじゃなくてもいいから。
あと出来ればドラフトやトレードによってBW・DB間の戦力差を整えてほしい。そろそろ辛くなってきた。
野球の枠をはみ出さずとも、まだそういう面でいくらでもエンタメ要素は出せると思う。そこは絶対に諦めないでほしい。

安易に客降りやわちゃわちゃに走るのではなく、「野球×エンタメで日本を元気に」と銘打った始まりを信じてほしい。

 

良いところを上げると、ラインナップ紹介の際の選手個々人に付けられたキャッチコピーはとても良かった。あれも時間短縮の一環ではあると思うけど、去年までの走り込みの冗長さがなくなっていたし単純に楽しかった。
応援歌もいかにも野球の試合らしくて良かったけど、いきなり現地で流されても「知らんが!?!?」となるのであれこそ事前に教えておいてほしい。

 

 

 

 

試合本編はもちろん、エキシビションも楽しい瞬間、かっこよくて湧き上がる瞬間がなかったわけではない。存在意義そのものを疑っているのであって。
今年の改変を考えた人もまさかこのイベントをめちゃくちゃにしてやろうと思ったわけではなく、きっと商業やエンタメとして何か新しいゴールを目指しての取り組みだったのでしょう。

それでも全体を通して、わたしはなんのためにここに座っているんだろう、と思ってしまう時間でした。大好きだったアクターズリーグに失望してしまったことがとても悲しい。

 

どうかこの徒労感が、次に繋がって報われることを祈ってます。
以前麻璃央くんが言った通り、10年続くイベントになるように。一昨年心底願った通り、夏の風物詩となってくれるように。

 

 

 

 

 

*1:これは奇奇怪怪盗団のラストにも言えますが……

*2:直前に全力疾走とかしたことの弊害はあるかもしれないが