黄ばんだ紙切れ

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』楽曲周辺情報まとめ

 

公演期間、劇中に使用されている楽曲の情報が知りたい!!!となったとき、フォーシーズンズについてまとめられたものはあっても『ジャージー・ボーイズ』に特化したものが見つけられなかったので自分で作りました。
ド素人の調べ学習に過ぎないので、おかしいところがあったらマシュマロなどでご指摘ください。

 

  タイトル リリース アーティスト
M1 Ces Soirées-Là 2000年 Yannick
M2 Silhouettes 1957年 The Rays
M3 You're The Apple Of My Eye 1956年? The Four Lovers
M4 I Can't Give You Anything But Love 1928年  
M5 Earth Angel 1954年10月 The Penguins
M6 A Sunday Kind Of Love 1946年  
M7 My Mother's Eyes 1953年 Frankie Valley
M8 I Go Ape 1958年 Frankie Tyler
M9 Short Shorts 1957年 The Royal Teens
M10 I'm In The Mood For Love/Moody's Mood For Love <恋の気分で> 1935年 / 1952年  
M11 Cry For Me 1966年 The Four Seasons
M12 An Angel Cried 1961年 Hal Miller & The Rays
  I Still Care 1961年 Miss Frankie Nolan & The Romans
  Trance 1961年 Billy Dixon & The Topics
M13 Sherry 1962年 The Four Seasons
M14 Big Girl's Don't Cry <恋はヤセがまん> 1962年 The Four Seasons
M15 Walk Like A Man <恋のハリキリ・ボーイ> 1963年 The Four Seasons
M16 December '63 (Oh What A Night) <あのすばらしき夜> 1975年 The Four Seasons
M17 My Boyfriend's Back 1963年 The Angels
M18 My Eyes Adored You <瞳の面影> 1974年11月 Frankie Valli
M19 Dawn (Go Away) <悲しき朝やけ> 1964年 The Four Seasons
M20 Big Man In Town 1964年 The Four Seasons
M21 Beggin' 1967年 The Four Seasons
M22 Stay 1964年 The Four Seasons
M23 Let's Hang On 1965年 The Four Seasons
M24 Opus 17 (Don't You Worry 'Bout Me) 1966年 The Four Seasons
M24.5 Everybody Knows My Name 1966年 The Four Seasons
  The Sun Ain't Gonna Shine (Anymore) <太陽はもう輝かない> 1965年 Frankie Valli
M25 Bye Bye Baby 1964年 The Four Seasons
M26 C'mon Marianne 1967年 The Four Seasons
M27 Can't Take My Eyes Off Of You <君の瞳に恋してる> 1967年 Frankie Valli
M28 Workin' My Way Back To You <君のもとへ帰りたい> 1966年 The Four Seasons
M29 Fallen Angel 1976年 Frankie Valli
M30 Rag Doll <悲しきラグドール> 1964年 The Four Seasons
M31 Who Loves You <愛はまぼろし> 1975年 The Four Seasons

 

一応調べられた限りで初めてレコードに収録されたのはこんな感じでした。
でもB面で出た翌年に改めてA面としてリリースされてる曲があったり、アルバムが初出だったり何回もセルフカバーされてたりでいまいち網羅出来てる気がしないのでガバガバだと思います。あと後半のグループ名義とソロ名義はまじで自信ない。まじで真に受けないでください。

 

 

備考

調べている最中にへ~そうなんや、になった情報たち

 

 

◆M2 Silhouettes

クルーがプロデュースした楽曲で、1963年にThe Four Seasonsでもカバーがアルバムに収録されてます。

Silhouettes

Silhouettes

  • The Four Seasons
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

◆M3 You're The Apple Of My Eye

The Four Lovers時代の楽曲ですが、のちにThe Four Seasonsでも『Apple Of My Eye』としてカバーされてます。

作曲はブリル・ビルディングで名前が登場するオーティス・ブラックウェル。

Apple of My Eye

Apple of My Eye

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

◆M4 I Can't Give You Anything But Love

元はブロードウェイミュージカル『Blackbirds of 1928』の劇中曲。その後ジャズのスタンダードとして定着した。
ストーリーに関する情報が見つからず内容の詳細はわからなかったです。

これも1962年にカバーしてます。
というか当時の曲はアーティストから独立した一つの作品として存在していて、色んな人が各々レコードを出しその中で売れたやつが売れる!みたいな感じだったと調べているうちにどこかで読んだ。出典は忘れたのでまた見つけたら貼ります。

I Can't Give You Anything But Love

I Can't Give You Anything But Love

  • The Four Seasons
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

◆M7 My Mother's Eyes

Frankie Valley名義でリリースされた初シングル曲。のちにグループでも出してる。
もしかしてだけど「Frankie Vally」の時代って存在しない?レコードの情報がネットに存在しないだけかもだけど。

 

 

◆M8 I Go Ape

恐らくFrankie Tyler&The Four Lovers名義。
実際聞いたらちゃんと頭の「Hey, Frank!」から存在してて笑っちゃった。そこ芝居じゃなかったんや

I Go Ape

I Go Ape

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

◆M10 I'm In The Mood For Love / Moody's Mood For Love <恋の気分で>

「Every Night at Eight」という映画の挿入歌。I Can'tと同じコンビが作詞作曲。

ボブがフランキーの声に落ちるアレンジ版(Moody's〜)が世に出るのは1952年ですが、大元は1935年公開なので42年生まれのボブからしたらまあそれなりに「じいちゃんばあちゃん向け」。

 

 

◆M12 Backups Medley (An Angel Cried / I Still Care / Trance)

この3曲、ボブ・ゴーディオ作曲だったのがびっくりした。

An Angel Criedのボーカル、ハル・ミラーはSilhouettesオリジナル版The Raysのボーカル。
だからフランキーたちもこの曲の時The Raysを名乗ってたんだな~

 

 

◆M16 December '63 (Oh What A Night) <あのすばらしき夜>

直前の3連単と違い、これは1975年リリース。
翌年に全米・全英チャートで1位になった『復活・フォーシーズンズの代表曲』。

そしてボブが後に結婚するジュディ・パーカーとの共作。Who Loves Youも2人の共作みたいですね。

 

 

◆M24.5 Everybody Knows My Name / The Sun Ain't Gonna Shine (Anymore) <太陽はもう輝かない>

セットリストには乗ってないですが、ソロ活動を決めたフランキーが口にする「ボブの書いたこの歌」が前者。

I climb the ladder of success
I'm one step higher than the rest.
I got the guts, I pass the test.

(中略)

You got a whole family; You got a whole family, Well you got much more than me, much more than me.

 

そしてこの時背景で流れてるのが後者。見つけるのまあまあ苦労したんですけど、2018版のCDにはアンダースコアとして収録されてるんですね……なんやねん……

この邦題があるから次のBye Bye Babyが雨の演出になるんだな。

 

 

 

以上の情報を踏まえて劇中の年表を作るとこんな感じです。
もちろんJBは歴史物語ではないので時系列や年代がドラマチックに加工されていることは承知の上なんですけど、まあ参考程度に。

 

  F T B N  
1950 16 22 8 23 「16歳です裁判長」
1951 17 23 9 24 フランキーThe Variety Trio加入
1953 19 25 11 26 フランキー初ソロ・My Mother's Eyes リリース、ハンク加入?
1956 22 28 14 29 The Four Lovers初レコード・You're The Apple Of My Eyeリリース
1957 23 29 15 30 The Royal Teens・Short Shortsリリース
1959 25 31 17 32 ボブ加入、ハンク脱退、チャーリー加入?
1960 26 32 18 33 The Four Seasonsに改名、チャーリー脱退
1961 27 33 19 34 The Four Seasons初レコード・Bermuda / Spanish Laceリリース
1962 28 34 20 35 Sherryリリース
1964 30 36 22 37 「22歳の人間が欲しいと思うものは全て持ってる」
1965 31 37 23 38 ニック脱退、チャーリー&ジョー加入
1967 33 39 25 40 C'mon Marianne、Can't Take My Eyes Off Of Youリリース
1970 36 42 28 43 トミー脱退
1975 41 47 33 48 ジョー脱退
1978 44 50 36 51 Greaseリリース
1980 46 52 38 53 フランシーヌ逝去
1990 56 62 48 63 ロックンロールの殿堂
1999 65 71 57 72 ヴォーカルグループの殿堂
2000 66 72 58 73 ニック逝去
2005 71 77 63   ジャージー・ボーイズ」初演
2014 80 86 72   映画「ジャージー・ボーイズ」公開
2016 82 88 74   ジャージー・ボーイズ日本初演
2020 86 92 78   トミー逝去

 

 

色のついたところが明確に史実と脚本でズレがあるところです。

加入時のボブ、クソガキすぎる
「まだ若いけど~」とかいうレベルじゃねえ
自分が31歳だったとして、17歳のガキンチョに著作権使用料は云々~!とか上からドヤ顔で言われたら引っぱたいてしまう。いや搾取は良くないので当たり前なんですけど。

そしてニックがグループを出たり入ったりしていたというのは聞きかじっていましたが、本当に遍歴がぐちゃでわからん。The Variety Trioにいた記述があるのに、58、59、60年にそれぞれニック加入の記述もある。The Four Loversはトミー・ニック(兄)・ハンク・フランキーだったという説もある。でも65年の脱退は確実っぽい。

トミーはニックと同時ではなく、6年ほど活動を続けてから金銭問題で脱退。Can't Takeのリリースの方が先。

脚本上冬のオーディションで現れるチャーリー・カレロは、実際は初期からアレンジャーやサポートとしてずっと関わってたらしい。

史実では20歳で亡くなったフランシーヌが22歳に書き換えられているのは周知の通り。

そしてこうやって見るとジ・オリジナル・フォーシーズンズの活動期間めっっっちゃくちゃ短い。
表には物語で出てきた名前しか書いてませんが実際はもっとメンバーの出入りが激しかったらしいので、そりゃ「本当のフォーシーズンズはどうなったんだ」とも言いたくなる。

 

 

 

出来ればグループ名の変遷とかもまとめられたらなあと思ってたんですが、それは流石に文献あたらないと把握できなそうだった。

とりあえず観る時の年代感覚の手助けにでもなればいいな。またちょこちょこ手直ししていきます。

 

 

👇Cry For Me以外は入ってます

 

 

2023.11.14
映画版パンフレットを基に加筆修正しました。